2015年8月5日 GOING UNDER GROUND 「新」オフィシャルサイトがオープンしました。

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古本屋ツアー・イン・ジャパンの『均一台三段目の三番目の古本』

日本全国の古本屋&古本が売っている場所の、全調査踏破を目指す無謀なブログ【古本屋ツアー・イン・ジャパン】を運営するGOING UNDER GROUNDのスタッフのひとり「tokusan」のコラム。

お店をダッシュで巡ること多々あり。調査活動は今年でいよいよ五年目へと突入する。最近は「フォニャルフ」の屋号で古本販売も始めた。あぁ、私は一体何がしたくて、果たして何処へ向かっているのだろうか…。

第十七冊 東京 神田神保町『一誠堂書店』

東京には古本好きにとって“メッカ”と呼ぶに相応しい街がある。千代田区にある“神保町古書店街”がそれである(※“神田古書店街”とも呼ばれるが、神田駅からは遠く離れているので注意が必要である)。

東西南北500mほどの中に、およそ160軒以上の古本屋さんが密集しているのだ。それぞれのお店は、通常街にある古本屋さんとはちょっと異なり、その多くが得意分野を輝かせた専門店となっている。それは小さいお店の棚が様々なジャンルから出来ているように、この街では古本屋さん一軒一軒が一棚となって、とてつもなく巨大な古本屋さんを形作っているようなものなのである!

おぉ、偉大なる神保町よ! この街には、読みたい本・探している本・欲しくてたまらない本・高値になる本などの影を求めて、今日もたくさんの人が集まって来ている。

ちょっと格式高いお店たちに勇気を持って飛び込めば、独特な緊張感と共に、普段余り目に出来ない本を楽しむことが出来るが、通り沿いの各店舗前に連続する均一台もまた魅力を存分に発揮している。100均~500均辺りを基本に、文庫本から箱入の全集本までが、お店の外に安値で晒されている。普通の値段で充分売れるサービス品や、時に○千円クラスの本がしれっと紛れ込んでいたりもするので、古本中毒にかかると毎日パトロールしなければ気が済まなくなってくるほど、この街では均一台でさえも奥深いのである…均一台から高値の本を掘り出した数々の伝説を、今までどれだけ悔しく耳にしてきたことか…。

そんな楽しく古本の薫り漂う神保町に、一際厳めしいビルが建っている。『神保町交差点』近くの「一誠堂書店」。最初に見た時は『これが古本屋なのかっ!?』と自分の眼を疑うほど格式高く、歴史の重みを感じさせる店構えを誇っている。店内では、一階二階に分厚い古本の並ぶ棚をバックに、お揃いのジャケットを羽織った店員さんが接客を行い、特に洋書の多い二階は、植草甚一・荒俣宏・鹿島茂らが出入りした恐ろしい空間となっている…。

しかし安心して欲しい。そんな重厚で格式高いお店でも、店頭にはしっかりと均一台が置かれているのである。店頭とは言っても、ステップを二段上がり、モダンなガラスウィンドウと、ガラス越しに店員さんの目が光る、そこもまた重厚な空間となっている。左右に二台の縦長な木製台が置かれ、右側には主に単行本、左には200円均一で新書や文庫が並んでいる。当然左側の台に歩み寄り、例に寄って三段目三番目の文庫をチェック…ジャック・ヒギンズか…「鷲は舞い降りた」などで有名な、冒険小説作家である。

三列目三段目

1992年に発行されたハヤカワ文庫NV「黒の狙撃者/ジャック・ヒギンズ」全394ページ。厚い本のせいか、二ヶ所で本が割れてしまっており、非常に残念な思いが身体を駆け巡ってしまう。カバーの作者名がタイトルと同じくらいデカイのは、作家名だけである程度売れる本であることを表している。そして表4の袖にある著者の写真は、レイバンのタレサンを掛け、読者の期待を裏切らない雄々しい軍人風となっている。

冒険アクションとは裏腹な、陽の当たる古本に囲まれた六畳間で、ゴロゴロしながら読み始める。舞台は1982年のイギリスとアイルランド。まさに両国紛争まっただ中のきな臭い時代であるが、実はその裏では独りのソ連・KGB(ソ連国家保安委員会)工作員が暗躍しており、イギリスの弱体化と紛争の泥沼化を狙っていた。ひょんなことからそれに気付いたイギリス国際情報本部は、本来なら敵であるはずのIRA(アイルランド共和軍)と一時的に手を組み、KGB工作員のマンハントに乗り出して行く…と言うのが大まかなストーリーである。まぁ「ゴルゴ13」や「マスターキートン」を想像していただければ、当たらずとも遠からずと言ったところ。それにしても、追いつ追われつ活躍する三人の男たちが、みな五十歳以上と言うのに注目だ。半リタイア気味の、それぞれに訓練された軍人たちなのだが、紳士な加齢臭漂ういぶし銀っぷりを発揮して国家のために闘い、あげくそれぞれ美女にモテてしまうのは、もはや男の偉大なる夢と言えよう。

中年を越えた壮年の活躍に胸を躍らせ、三日後に同じ畳の上で読了する。心はイギリス&アイルランドから、たちまち六畳間の秋の昼間の日本へ舞い戻る。おぉ、私は中年時にさえこの体たらくなのに、壮年時代を迎えたら、さらにどんな体たらくになってしまうのか…。ジャック・ヒギンズ世界のような壮年時代は一ミリも実現しないはずなので、その時は再び彼の著作を繙き、せめて脳内だけでも華麗に活躍する、いぶし銀紳士になることとしよう。

今回の三列目三段目

黒の狙撃者』(ハヤカワ文庫NV)
ジャック・ヒギンズ(訳:菊池光)

今回の古本屋

一誠堂書店
住所/〒101-0051 東京都千代田区 神田神保町1丁目7番地
電話番号/03-3292-0071
営業時間/午前10時~午後6時30分(祝祭日:午前10時30分~午後6時)
定休日/日曜日
2013年10月11日
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