2015年8月5日 GOING UNDER GROUND 「新」オフィシャルサイトがオープンしました。

装いも新たに、GOING UNDER GROUNDのオフィシャルサイトがオープン!

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なお、GOING MAGAZINEは一定期間の公開後、新オフィシャルサイトへ統合されます。長らくご愛顧いただき誠にありがとうございました。

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古本屋ツアー・イン・ジャパンの『均一台三段目の三番目の古本』

日本全国の古本屋&古本が売っている場所の、全調査踏破を目指す無謀なブログ【古本屋ツアー・イン・ジャパン】を運営するGOING UNDER GROUNDのスタッフのひとり「tokusan」のコラム。

お店をダッシュで巡ること多々あり。調査活動は今年でいよいよ五年目へと突入する。最近は「フォニャルフ」の屋号で古本販売も始めた。あぁ、私は一体何がしたくて、果たして何処へ向かっているのだろうか…。

第十冊 愛知 犬山『五っ葉文庫』

去年の十二月、GOING UNDER GROUNDの大阪公演にスタッフとして帯同した。以前は頻繁に行動を共にしていたが、残念ながら今は稀になってしまったので、久々に車の端っこにギュッと身を潜めながらも、ワクワクしながら一睡もせずに西へ…。

地方に行った時の私の楽しみは、もちろん古本屋巡りである。わずかな時間の空きを見つけて、ライブ会場近くのお店を探し、走って駆け付けるのだ(もちろん仕事は疎かにしておりません!)。ライブ当日は船場のお店をこっそり訪ねることに成功した。そして明くる戻り日、車に乗って帰るみなさんに別れを告げ、たったひとりで別行動に入る。せっかくここまで連れて来てもらったのだ。帰りに愛知・犬山に寄って、訪れることを約束していた古本屋さんに行くことにしよう。そのお店は「五っ葉文庫」と言うのだが、店主が“痕跡本”なる新しい古本の分野を発明した、新進気鋭の妄想文筆家なのである!“痕跡本”とは、以前の持ち主の書き込みなどが残されている古本のことで、時に強烈で不気味な、また清冽な言葉が書き付けてあったりする。店主はそれを見つけ出しコレクションし、その痕跡から妄想力で物語を紡ぎ出すのだ。その飽くなき情熱は、ついには一冊の本を上梓するに至ったほどである。

大阪から普通列車を乗り継いで、古い城下町の犬山。目指すお店は古い長屋の一角にあり、共同の玄関の引き戸を開けると、アパート長屋の一室を改造した、小さなお店が目の前にあった。ちなみに「五っ葉文庫」は痕跡本が恭しく飾られたりしているが、サブカル寄りな普通の古本がちゃんと売られているお店である。なので、入口横の廊下にも、ちゃんと100円均一棚が出されているのだ。大きな本棚にはコミックが、小さな本棚には文庫本が収まっている。当然選ぶべきは小さな本棚。

三列目三段目

今回の文庫本は、集英社文庫「モンマルトル日記/辻邦生」である。昭和54年の第1刷。辻邦生は作家として名前を知ってはいるが、その作品は一度も読んだことがない…これはフランス滞在の日記なのだろう。それなら読み易そうだな…。

読み始めたのは、年の瀬も押し迫った12月27日。買ってから二十日余りも寝かせてしまったのは、日記なら三日もあれば読み終わるだろうと言う、浅はかな目算のためである。しかし!読み始めたら、これがとてつもなく難解なのである!ほとんど、パリで何処に行った何をしたなどの記述は無く、ひたすらストイックに真剣に、小説を書くための思考実験について、書き連ねられているのである!…難しい…何だ、このフランスでの悩みまくりの毎日は。来る日も来る日も小説!小説!小説!こんなにも人間は、考え悩み続けることが出来るのか。そして小説を書かずに、こんなに難しい日記を長々と書き付けてしまうのは一体どうしてなのか?思わず表紙見返しの著者近影を見てしまう。九一に髪を分けた、四角く瑳川哲郎似の生硬な顔立ち…何となく納得してしまう。

ページが全く進まず、時間をかけ、突然襲い来る睡魔と闘いながら読み続ける。カウントダウンジャパンの楽屋でも読み続ける。年が明けて2013年。元日の電車内でようやく読了に至る。

無数の言葉のパンチにめった打ちにされ、作家の思考レベルにはとても追いつけず、訳が判らないままに文字列をただ追いかけて行くのだが、判らないなりに真剣に向かい合いパンチを正面から受け続けていると、少しずつ言葉のパンチを避けられるようになってくる。時々、スムーズに読み取ることが出来始める。そんな風にして、ようやく少しだけ掴み取れたのは、作者の詩情の世界に入るためのユニークな方法や、世界から詩を感じ取るための真摯な思いである。作家にとって、すべての事象や出来事は、小説を書くためのものであり、だからこそ詩として世界を豊かに感じ取らねばならない。常に詩情を感じ取るモードにチェンジし続け、「面白さ・たのしさ」「はかなさ」を“小説”と言う器に入れるのに、全身全霊で立ち向かっていると言うのである。

とにかく全ページに渡る作家の真剣さには、ただただ圧倒されるばかりである。とてもこんな風には生きられない、そんなレベルの真剣さなのである。あぁ、それに比べ、私は何とだらしなく、漫然と何も考えずに生きているのだろうか…そんなことを、ふと思わされてしまう。あのように考え続けることが出来ないのならば、せめて今度この人の書いた小説を読んでみることしよう。その時、作家の感じた“詩”を万分の一でも感じ取れれば、と願いつつ。

今回の三列目三段目

モンマルトル日記
(集英社文庫)
辻邦生

今回の古本屋

五っ葉文庫
(いつつばぶんこ)
住所/愛知県犬山市犬山薬師町11-4 キワマリ荘1階
電話番号/03-3333-6582
営業時間/11:00〜19:00
定休日/毎週金土日のみ営業
Twitter/https://twitter.com/itutubabunko
Blog/http://ameblo.jp/itutubabunko/
2013年1月11日
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