2015年8月5日 GOING UNDER GROUND 「新」オフィシャルサイトがオープンしました。

装いも新たに、GOING UNDER GROUNDのオフィシャルサイトがオープン!

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なお、GOING MAGAZINEは一定期間の公開後、新オフィシャルサイトへ統合されます。長らくご愛顧いただき誠にありがとうございました。

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古本屋ツアー・イン・ジャパンの『均一台三段目の三番目の古本』

日本全国の古本屋&古本が売っている場所の、全調査踏破を目指す無謀なブログ【古本屋ツアー・イン・ジャパン】を運営するGOING UNDER GROUNDのスタッフのひとり「tokusan」のコラム。

お店をダッシュで巡ること多々あり。調査活動は今年でいよいよ五年目へと突入する。最近は「フォニャルフ」の屋号で古本販売も始めた。あぁ、私は一体何がしたくて、果たして何処へ向かっているのだろうか…。

第八冊 渋谷『江口書店』

『モスラ』と言う、巨大なイモムシ、さらには巨大な蛾が大暴れする特撮映画がある。1996年版では決してなく、1961年に公開された古い方…名作なのである。この映画には、私が大好きな実在の古本屋が登場するシーンが存在するのだ!

唐突に山奥のダムから出現したモスラの幼虫が、東京の建物を破壊しながら、何故か東京タワー目指して進撃して行く。これから渋谷道玄坂を下ろうとする直前、幼虫を迎え撃つ自衛隊が路上で右往左往するシーンがある。命令を伝達する自衛隊員の背後は、合成のミニチュアの街並。その中の一軒の商店の大きな白い看板が、強烈に目に飛び込んで来る!「江口書店」!…望むと望まざるとに関わらず、ミニチュアの作られた古本屋さんと言うのは、このお店が初めてなのではないだろうか。こだわって、古本屋のミニチュアを作った方々に、深い深い敬意を表したい。そして今もこのお店はその道玄坂の手前、池尻大橋と三軒茶屋の間に現存しているのだ!

営業時間が非常に判り辛く、主に人文系の硬めな古い本を集めたお店なのだが、良書が多く非常に安値なので、近くに行ってタイミングが合えば、必ず立ち寄るようにしている。店頭には、小さい木製の、味のある可愛らしい均一台が置かれている。時刻はすでに夜。ガラス越しに路上を照らす、お店の明かりを頼りにそこに近付くと、台は文庫二段分しか無く、上部に新書や文庫が縦に無理矢理収められている。それをも一段と数え、選んだ三段目の三番目は、岩波文庫「斎藤茂吉歌集」…アララギ派歌人の短歌集である。むぅ、短歌は嫌いではないが、こうゆうある意味正統派なものに手を出したことはなかったなぁ…。

三列目三段目

明治三十八年から昭和二十七年の間に詠んだ、17907首から厳選された、1690首が掲載されている。五七五七七に磨き上げられた、言葉の小宇宙。物事や事象を、あらゆる角度から捉え、また様々な物・状況と組み合わせ、淡々と柔らかく静かに表現して行く。その特殊なセンテンスは非常に短く、頭の中にも映像ではなく、一枚の写真のような情景が浮かんでは消えて行くのみ。本来は一首ずつ、しっかり味合わなければならないのだが、私にはまだそんな素養は無く、ひたすら次々と読み進めてしまう。身体に染み付いた『五七五七七』のリズムに合わせ、ビュンビュンとひたすらに…。それはまるで素振りをしているような感覚…いや、短歌の千本ノック!モキチが世界と出会い、感じたことを、ただただ受け止めて行くだけ。それらの短歌はまるで小宇宙の串団子で、ワンコソバのように、歌が次々と頭蓋に注ぎ込まれて行く!ならばこちらはそれを呑するしかないのだ!そんな感じで、猛スピードでページを繰ったのだが、やはり1690首の壁は厚く、四日かけて風邪をひいて病臥した布団の中で、ようやく読了する。

四十七年の間に17907首。と言うことは単純計算で、一年およそ406首。つまりはほぼ毎日一首以上を作歌していたわけである。身の回りを詠んだ歌、職業である医業関連の歌、洋行短歌が、千本ノックの中でとりわけ強い打球であった。またどんどん年を経るごとに、老いを嘆く歌が増えて行くことが、非常に切なかった。この歌集には、ひとりの男の人生の断片が、ギッシリと詰め込まれていたのだ。なのでそれを、余りに早く読み終えたことが、少し申し訳なく思えたりもする。

果たして、これらを読みふけった私の中に、短歌の風は吹き始めたのであろうか…?

戯れに、一首をひねり出してみる。

血眼で 恋い焦がれている憧れの 背文字を夢み 今日も彷徨う

……どうやらまだ、全然吹いていないようです…。

今回の三列目三段目

斎藤茂吉歌集
(岩波文庫)
山口 茂吉・佐藤 佐太郎・柴生田 稔 編集

今回の古本屋

江口書店
(えぐちしょてん)
住所/東京都世田谷区池尻2-8-5
電話番号/03-3421-9575
営業時間/-
定休日/-
2012年11月09日
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