2015年8月5日 GOING UNDER GROUND 「新」オフィシャルサイトがオープンしました。

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古本屋ツアー・イン・ジャパンの『均一台三段目の三番目の古本』

日本全国の古本屋&古本が売っている場所の、全調査踏破を目指す無謀なブログ【古本屋ツアー・イン・ジャパン】を運営するGOING UNDER GROUNDのスタッフのひとり「tokusan」のコラム。

お店をダッシュで巡ること多々あり。調査活動は今年でいよいよ五年目へと突入する。最近は「フォニャルフ」の屋号で古本販売も始めた。あぁ、私は一体何がしたくて、果たして何処へ向かっているのだろうか…。

第六冊 長野 松本『青翰堂書店』

毎年夏と冬に発売される『青春18きっぷ』は、ある一定の期間の五日分、遠くまで我らを安値で運んでくれる“魔法の切符”である。

日本全国、普通列車なら何処までも乗って行けるのだ。これがあると、遠くまでの旅費を大幅に節約出来るので、私の人生の主目的たる“古本屋ツアー”も大いにその恩恵を受けている。

しかしその使用方法は情けないことに日帰りばかりで、泊まりがけで使ったことはまだ無い。

すると、行ける距離が大体限られてしまう上に、日帰り遠征を繰り返すことで、私の列車連続乗車耐久可能時間が、大体五時間前後であることが判明(つまりは私は『乗り鉄』には成れないのであろう…)…まぁ行って帰って来るだけで、五時間×2の十時間を列車の中で過ごすことになるのだ。

どうしたって身体がイライラウズウズしてしまう!北は仙台、西は名古屋辺りが日帰り移動の限界か…いつの日か泊まりがけの遠征をしなければ…といつも思いつつ、八月も終りのある日に四時間四十分かけて、中央本線で長野県・松本へ。

この標高600mの地には、来る度に必ずその姿を拝みたくなる古本屋さんが存在する。

お城の形をした『青翰堂書店』…ビルに間に挟まれたその姿は、最初に人をギョッと驚かせ、次に楽しませ、最後に足を止めた人々を続々と店内に誘い込んで行く。屋根の上にしゃちほこまで乗せた奇怪な店舗建築は、すぐ近くの黒い松本城を模したものらしい。そしてこんな立派なお城にも、嬉しい均一台は存在している!

真ん中のショウウィンドウ前に近付くと、二種類の小さな棚を組み合わせた、ごちゃついた『一品100円』均一。

目標は文庫本なので、横に二列になって積み上がるタワーから一段・二段と数え、棚内上部に続く文庫の横積みをムリヤリ三段目として数え、上から一二三…講談社文庫「オリエント急行殺人事件」…幸いにも未読だが、アガサ・クリスティーの名作が来てしまいましたか…。

三列目三段目

帰りの中央本線の四人掛けボックス席に、一人陣取って深く腰掛け、文庫本を目の前に翳すようにして、ページを繰り始めた。

『オリエント急行』は、イスタンブール〜カレー間を走る寝台列車。小説内では『東方急行』と書かれ、『オリエント・エキスプレス』とルビが振られている。もう名前からして、今乗っているガクガク揺れる鈍行列車とは、天と地ほどの差のある高級列車なのであろう…何たって食堂車が付いているからな。うらやましい…。

欧州大陸を三日間で横断する一車両に乗り合わせた十四人の乗客。出発二日目にして、列車は豪雪で停車を余儀なくされ、そんな大きな密室状態の中で殺害事件が発生。事件解決に乗客の一人であった、名探偵エルキュル・ポアロが乗り出して来る。

奇怪な殺人状況、乗客全員の完璧なアリバイ……実は私は、この小説のトリックを知っていた。

あまりにも有名な推理小説の金字塔である。逆に知らない方がどうかしていると言っても過言ではないほどだ。しかし知っていても、遜色無く面白く読むことが出来た。知っていたからこそ、ほとんど会話で成り立っているフェアな小説を、謎解きではなく、まるで美しい棋譜を見るかのように、陶然と楽しむことが出来たのだ。

村西とおるのように、不思議な丁寧語で喋り続ける、ちょっとおかしなポアロ。「結末へ達する過程」は「用心深く、一度に一歩ずつ」と言う彼の言葉が胸に沁みる。

しかしこの結末は、『相棒』の杉下右京が謎解きしていたら、絶対起こりえないカーテン・フォールであろう…あぁ、アガサさま!ありがとうございます!

読み終わったのは次の日で、三島からの帰りの『湘南新宿ライン』内。奮発してグリーン車に乗ったのは、少しでも『東方急行』気分を味わおうとした結果である。

しかし気付けば、周りの席は海帰りの人々で全部埋まり、通路にもあふれ始める始末…雪の中で立ち往生し続ける『東方急行』とは違い、こちらはグングン走り続け、あっという間に新宿駅に到着。

これじゃあ事件が起きる暇もないな…いや、確か西村京太郎の小説に、湘南新宿ラインを舞台にした鉄道ミステリーがあったはずだな……。

今回の三列目三段目

オリエント急行殺人事件
(講談社文庫)
アガサ・クリスティー

今回の古本屋

青翰堂書店
(せいかんどうしょてん)
住所/長野県松本市大手3-5-13
電話番号/0263-32-2333
営業時間/ -
定休日/ -
2012年09月07日
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